「気韻生動−平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち」
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「気韻生動−平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち」

「気韻生動−平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち」

「気韻生動」とは、芸術作品に気高い風格や気品、また、生き生きとした生命感が溢れていることを意味します。この言葉は岡倉天心が画家に対して求めた境地とされる一方、それは努力で到達できるものではなく、芸術家が生まれながらに持っているもの、とも言われます。

〜彫刻展「気韻生動」3つの見どころ〜

1. 明治神宮宝物殿(中倉)に初めて並ぶ芸術作品
会場は、国の重要文化財に指定されている明治神宮宝物殿。奈良の正倉院を模した校倉風大床造りの美しいこの建物は、1921(大正10)年に竣工以来、明治天皇・昭憲皇太后の御物が納められてきました。
この度、平成29年からの修復工事を終えてお披露目されると同時に、明治神宮鎮座百年祭を記念し、初めて芸術作品が展示される機会となりました。

2. 明治神宮と彫刻家・平櫛田中のつながり
明治神宮の御祭神である明治天皇は、生前に平櫛田中の作品を購入されたことがありました。実際に買い上げを受けた平櫛田中30才の時の作品《唱歌君が代》(小平市平櫛田中彫刻美術館蔵)が本展に展示されます。
さらに、宝物殿を設計した大江新太郎氏と、小平市平櫛田中彫刻美術館とアトリエを設計した大江宏氏・大江新氏、父子三代にご縁が繋がったことも注目すべき点です。

平櫛田中《幼児狗張子》1911年 木彫 41×55×44cm(台座を含む)
井原市立田中美術館蔵

平櫛田中《試作鏡獅子》1976年 木彫彩色 58.5×65.5×45.5cm
井原市立田中美術館蔵

3.平櫛田中とその気迫を継ぐ現代アーティストたちの共演
本展では、近現代彫刻に大きな影響を与えた明治〜昭和期の彫刻家・平櫛田中と、彼が残した傑作の数々を知って、見て、学んだ現代アーティストたちの作品が一堂に会します。彼らは平櫛田中と同じ展覧会に参加できることを誇りに思い、代表作を発表する他、これまで未発表だった作品や新作の展示にも取り組みます。素材に対しての深い洞察力、そして、新しい素材への挑戦を惜しまない現代アーティストたちの作品は必見です。

名和晃平《Throne(g/p_pyramid)》2019年 mixed media 155.2×72.6×49.5cm
photo: Nobutada OMOTE | Sandwich
アートのシェアリングプラットフォーム ANDART 蔵

土屋仁応《鹿》2020年 樟、水晶、彩色
43.5×28×12cm

〜彫刻家・平櫛田中について〜

平櫛田中は、1872年(明治5)、現在の岡山県井原市に生まれ、青年期に大阪の人形師・中谷省古(なかたに せいこ)のもとで彫刻修業をしたのち、上京して高村光雲(たかむら こううん)の門下生となりました。その後、美術界の指導者・岡倉天心(おかくら てんしん)や臨済宗の高僧・西山禾山(にしやま かざん)の影響を受け、仏教説話や中国の故事などを題材にした精神性の強い作品を制作します。
大正期には、モデルを使用した塑造の研究に励み、その成果を代表作《転生》《烏有先生》などにおいて示しますが、昭和初期以降は、彩色の使用を試み、「伝統」と「近代」の間に表現の可能性を求めました。1958年(昭和33)に22年の歳月をかけて完成した国立劇場の《鏡獅子》に田中芸術の集大成を見ることができます。1962年(昭和37)には、彫刻界でのこうした功績が認められ、文化勲章を受章しました。
1970年(昭和45)、長年住み暮した東京都台東区から小平市に転居し、1979年(昭和54)に107歳で亡くなるまでの約10年間を過ごしました。

小平市平櫛田中彫刻美術館HPより:https://www.city.kodaira.tokyo.jp/kurashi/061/061395.html

【協力美術館リンク】
*小平市平櫛田中彫刻美術館:https://www.city.kodaira.tokyo.jp/kurashi/070/070021.html
*井原市立田中美術館:http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/
*須坂市立博物館:https://www.city.suzaka.nagano.jp/enjoy/shisetsu/hakubutsukan/

【Information】

会場:明治神宮 宝物殿(中倉)
会期:2021年3月25日(木)〜 2021年5月30日(日)
休館日:木曜日(但し3/25、4/29は開館)
時間: 10:00~16:30 ※最終入館は閉館時間の30分前まで
入場: 無料
参加アーティスト:平櫛田中、澄川喜一、深井隆、舟越桂、土屋公雄、宮島達男、三沢厚彦、棚田康司、須田悦弘、保井智貴、名和晃平、土屋仁応、secca、小林正人(絵画)、原良介(絵画)

※宝物殿の改修工事に伴い、展覧会開催中敷地内の一部が工事中となります。お客様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解、ご協力賜りますようお願い申し上げます。

神宮の杜芸術祝祭マップ(気韻生動)