18 7月 流麻二果
内外(うちと)
作品解説
美しい色の重なり、独特の色づかい、絵具が地球の重力に逆らわずにゆったりと流れているかのような造形は、絵画の快楽をストレートに伝えてくれます。重なった絵具は濁らず、鮮やかな色彩を見せているのも特徴のひとつです。明治神宮の杜がつくられていく中で、古来よりの、信玄さを実現した内苑と、西洋化されていく明治の展開をみせた外苑がうまれたという二元性を、作家が近年、探究している、「生死の境に現れるという光や色」と準えて、描いた作品です。
美しい色の重なり、独特の色づかい、絵具が地球の重力に逆らわずにゆったりと流れているかのような造形は、絵画の快楽をストレートに伝えてくれます。重なった絵具は濁らず、鮮やかな色彩を見せているのも特徴のひとつです。明治神宮の杜がつくられていく中で、古来よりの森巌さを実現した内苑と、西洋化されていく明治の展開をみせた外苑がうまれたという二元性を、作家が近年探究している、「生死の境に現れるという光や色」となぞらえて描いた作品です。
流麻二果
Manika NAGARE
1975年生まれ。女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒。風景をテーマとした絵画制作を中心に、パブリックアート、ファッションとのコラボレーションや建築空間の色彩監修など国内外で幅広く活動。主な近年の展覧会に「絵画を抱きしめて」(資生堂ギャラリー、2015)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.05『見えてる風景/見えない風景』」(高松市美術館 、2016)、「色を追う/Tracing the Colors」(ポーラ美術館、2018)など。